明日に何か餌があるから、僕らは今日を歩く。
少し気を抜くと、たちまち過去に飲み込まれてしまう。
やはり、この季節がそうさせるのか。
嫌な夢ばかり見る。
そこには観念的な断頭台があって、その上に立つ僕を、多くの人が冷めた目で見上げているのだ。
それまでの人生で、僕が逃げて来た人々。
彼らは、卑怯で保身的な僕のことを、軽蔑した目で眺めている。彼らはすでに、僕に対してさそど関心は示さないだろう。
ああ、やっとあいつの番か、とっととくたばってろよ、と。僕はその程度の存在だ。
いっそのこと、笑ってくれた方がましだ。
一生逃げられないのだろうか。