ムラサキノヤカタ

徹頭徹尾ひとりごと

逃避行

明日に何か餌があるから、僕らは今日を歩く。

少し気を抜くと、たちまち過去に飲み込まれてしまう。

 

やはり、この季節がそうさせるのか。

嫌な夢ばかり見る。

 

そこには観念的な断頭台があって、その上に立つ僕を、多くの人が冷めた目で見上げているのだ。

 

それまでの人生で、僕が逃げて来た人々。

 

彼らは、卑怯で保身的な僕のことを、軽蔑した目で眺めている。彼らはすでに、僕に対してさそど関心は示さないだろう。

ああ、やっとあいつの番か、とっととくたばってろよ、と。僕はその程度の存在だ。

 

いっそのこと、笑ってくれた方がましだ。

 

一生逃げられないのだろうか。